趣味のみぞ語るセカイ

趣味であるお酒や読書、アニメ等に関して思ったことを綴っていくブログです。

小説

【企画】今月のタダ本(2020年2月・ライトノベルの部)

今月は漫画に全振りした感があるのでライトノベルも控えめでございます。 この2カ月小説を買い過ぎたので今月は一般小説もライトノベルも控えめな購入冊数にした。ネットオフのサブスク、「タダ本」に関しては以下の記事をご覧あれ。 chitashindoh.hatenabl…

【企画】今月のタダ本(2020年2月・一般小説の部)

今月は小説ちょっと少なめ。 「今月のタダ本」、2月の一般小説の部にエントリーされたのはこの4冊。 ネットオフのサブスク、「タダ本」の詳細は以下の通り。 chitashindoh.hatenablog.com ラインナップは以下の通り。 1.朗読者(ベルンハルト・シュリン…

【レビュー】巴里マカロンの謎(米澤穂信)

この時をずっとずっと待ってた。 米澤穂信の「小市民」シリーズ、11年ぶりの最新刊が今作、『巴里マカロンの謎』である。これまでのシリーズの慣例からすると次に出るのは『冬期限定〇〇事件』のはずなのだが、今作はその慣例からも外れており、また、秋か…

【レビュー】幽落町おばけ駄菓子屋 夏の夜空の夢花火(蒼月海里)

ホラー文庫なのにほろりとくる。それがウリの作品。 今回取り上げるのは蒼月海里氏の『幽落町おばけ駄菓子屋』シリーズの第3弾である。 今シリーズの特徴として、ホラー文庫なのにもかかわらず「ホロリ」とくるストーリーが挙げられる。それどころか、作品…

【レビュー】4ページミステリー 60の奇妙な事件(蒼井上鷹)

長いミステリは覚えられない。 基本的にはミステリというものは、他ジャンルの小説に比べて文章量が多くなりがちである。当然だろう。事件や謎が生じてからそれを解決するのには探偵役の説明が必要となるため、どうしてもその説明に文字数を割いてしまうから…

【企画】今月のタダ本(2020年1月・ライトノベルの部)

今月もライトノベルを大量入荷。 「今月のタダ本」企画。今回はライトノベルの部をお届け(「タダ本」の詳細は下記のとおり)。 chitashindoh.hatenablog.com 今回購入したのは以下の14冊。 ・断章のグリム1~13(甲田学人) ・ココロコネクト ヒトラン…

【企画】今月のタダ本(2020年1月・一般小説の部)

今年も始まったぜ「タダ本」で買ったものをさらすコーナー。 今月も「ネットオフ」のサブスク、「タダ本」で50冊購入。「タダ本」の詳細は以下の記事から。 chitashindoh.hatenablog.com 一般小説の部は6冊。 ・招き猫神社のテンテコ舞いな日々2(有間カ…

【レビュー】半分の月がのぼる空(橋本紡)

これもまた、私のバイブル。 今回取り上げるのは橋本紡氏の『半分の月がのぼる空』である。 当然ながら私が最初にこの作品を手に取ったのは「電撃文庫版」であり、全8巻をむさぼるように読んだ記憶がある。それから時が経ち、この作品が完全版としてリメイ…

【企画】今月のタダ本(2019年12月・ライトノベルの部)

ラノベ買い過ぎた(笑) さあ、今回はタダ本で購入したライトノベルをさらしていく。ラインナップは以下の通り。 1.境界線上のホライゾン(川上稔) 2.人類は衰退しました(田中ロミオ) 3.空ノ鐘の響く惑星で(渡瀬草一郎) 4.甘城ブリリアントパー…

【企画】今月のタダ本(2019年12月・一般小説の部)

せっかくだから「タダ本」で買った商品をさらす。 誰に需要があるとかは関係ない。基本的にブログなんかをやっている人は自己顕示欲がある人なのだから買ったものを公開したいものなのだ。 というわけで、毎月ネットオフのサブスク「タダ本」で購入した本を…

ネットオフのサブスク「タダ本」を試してみる

本好きにとってこれ以上のサービスはないよね。 ネットオフでえげつないサブスクが始まったとの情報を耳にして早速使ってみた。 「タダ本」というサービスで以下の2種類のコースから選択することができる。 1.タダ本ライト(250円/月)→月間15冊ま…

【レビュー】押入れのちよ(荻原浩)

バラエティ豊かなホラーサスペンスを描いた傑作短編集。 何度も読み直したい名作というのは数が限られてくるが、この短編集は紛れもなく何度も読み直したくなる傑作である。 本作は9編からなる短編集であるが、実にバラエティ豊かなホラーサスペンスを描い…

【レビュー】ゲーマーズ!(葵せきな)

ゲーム好きたちによるすれ違いラブコメ、ここに完結。 今回取り上げるのは葵せきな氏の『ゲーマーズ!』。著者の作品はデビュー作の『マテリアルゴースト』からずっと追いかけているが、漫才のようなテンポの良い会話シーンが持ち味の作家である。加えて今作…

【レビュー】こころ(夏目漱石)

精神的に向上心のないものは馬鹿だ。 教員の頃はよくこの時期に「こころ」を教材として取り扱っていた気がするので、当時を懐かしんでピックアップしてみる。 授業で扱うのは下の「先生と遺書」であり、「覚悟」の話とか、冒頭で上げた「精神的に向上心のな…

【レビュー】おかえりシェア(佐野しなの)

人生は選択だ。 今回取り扱うのは初めましての作家さん、佐野しなの氏の『おかえりシェア』。 主人公の北平道子がある日飲み会から帰ってくると、自宅マンションの壁に穴が空いており、そこから隣人が顔を出していたというところから物語が始まる。隣人の手…

【レビュー】三日間の幸福(三秋縋)

自分の寿命がいくらだったら買い取ってもらうだろう・・・ 自分の寿命が分かったり、自分の寿命を売り買いしたりできたら、私自身もう少し自分の人生を真剣に見つめ直し、一日一日を大切に生きるかもしれない。 この作品では寿命を査定し、寿命・健康・時間…

【レビュー】Iの悲劇(米澤穂信)

一度死んだ村を甦らせる、「甦り課」の前に立ちはだかる数々の悲劇。 大好きな作家である米澤穂信氏の最新作。 舞台は一度住民が全ていなくなった村である「蓑石」。そこに住民を呼び戻してもう一度村として復活させるIターンプロジェクトが発足し、「甦り課…

【レビュー】雨の降る日は学校に行かない(相沢沙呼)

表紙のイラストに騙されるな。 今回取り上げるのは相沢沙呼の『雨の降る日は学校に行かない』。 作者の作品は『午前零時のサンドリヨン』や『小説の神様』などを読んでとてもきれいな文章を書く人だという印象があった。それで今回は魅力的なイラストと面白…

【レビュー】俺の妹がこんなに可愛いわけがない13 あやせif上(伏見つかさ)

どれだけ待ったことか、この時を。 本編完結から6年。ようやくオレイモが戻ってきた。 12巻のエンディングが賛否両論であった今作だが、個人的には良い落としどころであったという評価である。まあ題材が「妹との恋愛」である以上、他に落としどころも難…

【レビュー】箱庭図書館(乙一)

乙一×一般人=美しい物語 お恥ずかしい話で、乙一氏の作品を読むのはこれが初めてである。 なぜこの作品を手に取ったのかは覚えていない。別に『箱庭図書館』に関する前情報を持っていたわけではないし、乙一デビューだとはりきって選択したわけでもない。そ…

【レビュー】猫語の教科書(ポール・ギャリコ)

これは小説ではない。教科書である。 私がポール・ギャリコを知ったのは多分に漏れず「スノーグース」である。なんて美しい作品を書く人だと思った。それは「雪のひとひら」でも同様でますますポール・ギャリコ作品に惹きこまれることとなる。そして私が三冊…

【レビュー】人間椅子他九編(江戸川乱歩)

夏だし背筋がヒヤッとするものを。 春陽堂の「江戸川乱歩文庫」より、『人間椅子他九編』を取り上げる。 江戸川乱歩の作品集は様々あれど、これだけ表紙にインパクトがある作品集もない。装画を担当しているのは多賀新という銅版画家であり、独特な世界観を…

【レビュー】恋物語(西尾維新)

私は貝木泥舟が嫌いであった。 〈物語〉シリーズは全てアニメのBlu-rayを所持しており、そして幸運なことに「物語フェス」に参加したくらいに追いかけている。アニメで全て内容を把握しているだけに(当然カットされた部分は原作を読まないと把握できないが…

【レビュー】恋文の技術(森見登美彦)

森見作品の中で一番好きな作品です。 これほど面白い書簡体小説は他に存在しないだろう。通常、書簡体小説は手紙の往復両方が書いてあって成立するものだが、今作に関しては「主人公の守田一郎からの手紙」しか書かれていない。それなのにも関わらずどのよう…

【レビュー】魔法使いのハーブティー(有間カオル)

今回読了したのは有間カオル氏『魔法使いのハーブティー』。 有間氏の作品は『太陽のあくび』を読んだことがあるのだが、『太陽のあくび』の終盤部、TVショッピングのシーンでの読む手が止まらない臨場感に溢れたスピーディーな文章に引き込まれ、あっという…