【企画】居酒屋探検記１ 「がみ屋一丁目」（町田）

　よく考えてみれば、一番最初のブログで「酒について書く」等言っておきながら、ここまで全く酒について語ってこなかった。本来ならば酒についても語っていきたいのだが、最近友人が誰も我が家に来ないために新たな酒を開ける機会がなかなかない（一人で一本空けられる体力はもうないのだ）。ゆえに、今回より企画として私が巡った居酒屋の紹介をしていこうと思う。記念すべき第１回は私の行きつけでもある「がみ屋一丁目」（町田）である。

　小田急線町田駅より徒歩五分ほど、町田調理師専門学校の隣に赤い提灯を吊るす店がそれである。店内はカウンター席とテーブル席とで５０名ほどは入れるだろうか。静岡おでんと鮮度の良い刺身を提供する名店である。

　基本的に私は冒険しない性格なので、行きつけではルーティーンのように頼む料理が決まっている。一杯目は当然ビール。ここの生は嬉しいことにキリンの「ハートランド」である。あれだけ飲みやすい美味しいビールはないだろう。ビールが苦手な人でも飲みやすいすっきりとしたビールである。それと同時に出てくるのがお通し。ここのお通しは決まって「しらすのサラダ」である。サラダを頼まなくていいのもまた嬉しい。特に私なんかは野菜をほとんど摂らないのでマストでサラダが出てくるのは体にも優しい気分になる（大抵飲みすぎるので肝臓には全く優しくないのだが）。

　一杯目と同時に注文するのはおでんと揚げ物である。この店にはおでんが「静岡おでん」と「牛すじおでん」の２種類あり、売りとしては当然「静岡おでん」なのだが、私はいつも売りに反して「牛すじおでん」を頼む。このおでんの牛すじがまた味がしみ込んでいて美味しいのだ。

　そしていつも頼む揚げ物がこのモンスターである。

　この店に来て「アジフライ」を頼まないのは半可通である。私はアジフライがそれほど好きでなかったのだが、ここでアジフライにであったことでその考えが覆された。これほど肉厚でジューシィーなアジフライを私は他に知らない。からし醤油でいただくのがマストである。

　さて、アジフライを食べた後は日本酒とともに刺し盛に移行する。ここで刺し盛を食べないのもまたがみ屋を知らないのと同義である。ここの刺し盛は一枚一枚が非常に分厚い。そして日によってはなかなか居酒屋で見かけない刺身を入れていることもある。いつかの冬に食べたカワハギの刺身は、フグに似てフグを超える美味であった。肝醤油でいただいたが、あれだけ濃厚な肝も他に見られない。

　一人で行って刺し盛を頼みづらい場合は以下のメニューを注文することをお勧めする。

「アジのなめろう」である。これに関してはレギュラーメニューなので、日によって異なる刺身とは違って毎回食べられる。骨せんべいもついており、これも酒のアテとしては非常に美味である。それにしてもつくづくアジが美味しい店である。日本酒のアテとしては他にもその日の煮つけや焼き魚、あとは「青のりわさびチーズ」という化け物がある。「青のりわさびチーズ」は騙されたと思って一回頼んでもらいたい。あれだけで日本酒一合イケる。

　さて、そろそろ〆に取り掛かる。先日一人で行った時にはえげつない〆を注文してしまった。

「とんかつ定食」である（ご飯は常連のよしみで大盛にしてもらった）。これで１２００円ほどでないだろうか。正直、これとビールだけでも立派な夜ご飯である。この時はビールと合わせているが、〆の時には大抵「ジンジャーハイボール」を頼んでいる。ここのジンハイはウィスキーの入ったジョッキとウィルキンソンをビンそのままで出して自分でお気に入りの割合にできるのがありがたい。〆の候補としては他にも「富士宮やきそば」や「小麦そば」などもある。そして、今となっては伝説となってしまった私の大好物の〆が以下である。

　ここの「チャーハン」を超えるチャーハンに、私はまだ出会っていない。しかし残念なことにこのチャーハン、揚げ物ご飯もの調理担当の方が今年初めに退職してしまったことにより、今は食べることができない。大将曰く、「チャーハンを習得させるのに２～３年かかる」とのこと。この店のチャーハンを食べられない苦行があと２～３年続くのかと思うと、溜息が止まらない（まあ、他の料理も美味なので全然耐えられるのだけれども）。

　お酒はもちろん、料理も抜群に美味しい「がみ屋一丁目」。是非一度食べに行ってみてはいかがだろうか。