【レビュー】ショート・トリップ(森絵都)
旅をモチーフにした珠玉のショートショートたち。
今回取り上げるのは森絵都氏のショートショート集、『ショート・トリップ』である。
タイトルに「トリップ」とついているように、全てのショートショートが「旅」をモチーフにしている。加えて、全てのショートショートが3ページでおさまっているという徹底ぶりである。
そしてショートショートの神髄である設定のヘンテコさも抜群。最初の「ならず者18号」に始まり、最後の「ビフォア・フライ」まで、なんともヘンテコな世界観が広がっている。個人的には「旅人の椅子」が好きであった。
教員という職業柄、常に入試の文章題のネタなどを探さないとならない。それゆえにショートショートに手を出すようになったが、以前に紹介した「ショートショート・マルシェ」といいこの作品といい、ショートショートはヘンテコな世界観を描くのが鉄則なので残念なことに入試にはとても使いづらいのである。
とはいえ、話が面白いのには違いないので、ぜひ読んでもらいたいと思う。
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