趣味のみぞ語るセカイ

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【企画】家にあるアニメ作品を全部見直してみる36 レビュー「夜は短し歩けよ乙女」

 原作の世界観をよく描き切りました。

 

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 今回取り上げたのは森見登美彦氏原作の「夜は短し歩けよ乙女」である。同氏原作の「四畳半神話大系」のアニメ化を手掛けたスタッフによる劇場映画だ。

 

 今作は森見氏の「テンプレート」を形作ったといっても過言ではない。お得意の「腐れ大学生」である「先輩」と「黒髪の乙女」の二人を主人公とした作品である。

 

 原作との相違として、原作では四季それぞれの物語として描かれている短編四編を、アニメでは一晩の物語として描いている。それゆえにストーリー全体により「ヘンテコさ」が増されているように感じられる。

 

 個人的に好きなのは、原作の1話目にあたる「夜は短し歩けよ乙女」の部分である。黒髪の乙女がさまざまな会場を渡り歩いてひたすら酒を飲み明かすという物語なのだが、そこでの黒髪の乙女の飲みっぷりが痛快で何ともスカッとする。私もあれくらい飲めればと思うのだが、最近は肝臓も弱ってきてなかなか以前のように酒が飲めなくなってしまっている。本当に、黒髪の乙女がうらやましい。

 

 その他にも、文化祭を題材としている原作の3話目、「ご都合主義者かく語りき」もなかなか面白い。ゲリラ演劇「偏屈王」をめぐってのいざこざを見て、私も大学時代にこのようないざこざに巻き込まれたらさぞ楽しいだろうと空想してしまう。

 

 腐れ大学生と黒髪の乙女の周囲に起きるドタバタ劇。これを是非皆さんも追ってほしい。