【企画】家にあるアニメ作品を全部見直してみる２８ レビュー「ペンギン・ハイウェイ」

　森見作品史上最年少の主人公「アオヤマ君」による、ペンギンとお姉さんにまつわる研究の記録。

　今回取り上げるのはスタジオコロリド初の長編アニメーションであり、森見登美彦氏の代表作の１つ、「ペンギン・ハイウェイ」。

　ある日、アオヤマ君の住む街にいるはずのないアデリーペンギンが大量発生し、その原因を突き止めようと研究に奔走するところが物語の中心基軸である。

　物語が展開していくうちに歯科助手の「お姉さん」とペンギンの関係や森の奥に浮かんでいる謎の球体「海」など、アオヤマ君の研究対象がどんどん増えていき、そしてそれぞれがつながりをもっていることがアオヤマ君の研究により分かっていく。

　手本にすべきはアオヤマ君の研究の手法である。所々で出てくるアオヤマ君の研究手順や着眼点のつけ方、考察の仕方は小学生のそれとは思えないほど本格的なものである。

　あの手法を真似すれば間違いなく研究は本格的なものになり、きちんとした研究結果が出ることだろう。まさに研究の教科書である。

　一本の映画としては映像も美麗であり、終盤部の森見作品特有のヘンテコな世界観もしっかりと映像化されていると思う。そして２時間の作品としてうまくまとめられたと感じる。そして何より、ペンギンがめちゃくちゃカワユイ。それだけで見る価値は十分にある。

　ぜひ、アオヤマ君のひと夏の研究結果を映像で確認してほしい。

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