また出た早見沙織の新たな側面。
今回取り上げるのは早見沙織の最新ミニアルバム、「シスターシティーズ」である。早見沙織が5人のクリエイターとタッグを組んで5通りの楽曲を作るのだが、毎回思うのは早見沙織の楽曲はジャンル分けがしづらいということである。強いて言うなら「早見沙織」というジャンルになるのだろう。いずれにせよ、個性的なラインナップである。
収録楽曲は以下の通り。
◇収録曲
1.yoso
2.mist
3.ザラメ
4.遊泳
5.PLACE
1.yoso
今回収録された5曲の中では最も好きな楽曲である。最高にノリの良い曲調と早見沙織の歌い方にマッチした楽曲である。特にサビの感じが個人的に非常に好みである。この5曲の中では今一番生で聴いてノリたい楽曲である。
2.mist
他の楽曲もそうだけれど、早見沙織の楽曲は歌詞が個性的である。この「mist」にしても、「裏側の月 水面に映る五セント 揺れる」という導入から、独特の言葉選びを発揮している。この楽曲で個人的に好きなのはサビに入る前の「そ ぞ ろ あ る け ば」の一音一音間を空けて発するところか。なんか好きなんだよな、あの部分。
3.ザラメ
この楽曲も独特な曲調である。それに拍車をかけるのが歌詞の独特さである。夕方の情景だろうか。ザラメ道はでこぼこ道のことか、それとも石敷きの道のことか。いずれにせよ、いろいろと想像を広げることのできる表現である。最後の歌詞の「僕の人生 あの日に変わったようね」が何とも言えない良質の表現に感じる。
4.遊泳
この楽曲も昭和ノスタルジーを感じさせる楽曲である。この曲のMVも見ると、より一層そのノスタルジー感が強調される。そして何より、この曲のMVはヘンテコなのである。この曲に関しては、ぜひ曲だけでなく、MVも見てほしい。
5.PLACE
いわゆる「クラップ曲」であり、個人的にはこのアルバムの中で2番目に好きな曲である。作曲はUNISON SQUARE GARDENの田淵智也で田淵氏といえばお得意の転調。それが今回はサビにある。クラップ曲であるABメロからは想像もつかないサビの荘厳さ。普通ならばしない転調の仕方に驚かされる。テーマは、帰る場所と旅に出る、か。いずれにせよ、良曲である。
以上、早見沙織が世に放った個性的な楽曲の集いである。是非このミニアルバムを聞いて、また一段と広がった早見沙織ワールドを堪能してほしい。