【レビュー】ジェームズ・ボンドは来ない(松岡圭祐)
007シリーズに興味がなくても楽しく読める。
今回取り上げるのは松岡圭祐氏の『ジェームズ・ボンドは来ない』である。「007」シリーズの映画のロケ地誘致活動をした直島を描いた作品であり、「この物語は実話である」という前書きから始まるように、事実をもとにして描かれた作品である。
タイトルからも分かるように、直島のロケ地誘致活動は失敗に終わるのだが(というより、元から成功する目はかなり薄かったのだが)、それでも島はロケ地誘致活動に執心し、それに多くの「007」ファンが共感して熱を上げていたのは確かである。何より松岡氏の取材力と描写力によりすらすらと読み進められるし、作中には当時の新聞記事や写真などの資料が豊富に掲載されているため、当時の熱量を直に感じることができる。やはり史実や事実に基づいた作品を書かせたら松岡氏の右に出る者はいないだろう。
「007」シリーズを全く知らなくても前述した資料がたくさんあり、小説も読みやすいので、ぜひ本作を読んで「007」シリーズや直島に関心を持ってくれれば幸いである。
【レビュー】イルミネーション・キス(橋本紡)
さまざまなキスのカタチ。
今回取り上げるのは橋本紡氏の短編小説集、『イルミネーション・キス』である。「キス」をテーマに、さまざまなシチュエーション、関係性でのキスが描かれた作品である。
個人的には最初に収録されている「フレンズ・キス」が特に好みであった。あの甘酸っぱさは橋本紡氏の十八番である。「秒速5センチメートル」で味わえるのと同種の甘酸っぱい感じは読んでいてこのうえない好みである。本当に、この年代の男女の恋愛を書かせたら右に出る者はいないと思う。
他にも、本作ではさまざまなキスにまつわる話が描かれている。どれも本当に素敵な話である。みなさんもぜひ読んでほしい。そして、願わくは橋本紡氏がもう一度筆を執ることがありますように。
【企画】今月のタダ本(2021年1月・小説の部)
ほとんどライトノベル。
今月も小説を6冊お迎えした。6分の5がライトノベルという偏りぶりだが、ここのところヘビー(物理的に)な作品ばかり読んでいたのでたまにはよいだろう。ネットオフのサブスクサービス「タダ本」の紹介は以下のページから。
ラインナップは以下の通り。
1.ルビンの壺が割れた(宿野かほる)
2.シニガミノバラッド。アンノウンスターズ。②(ハセガワケイスケ)
1.ルビンの壺が割れた(宿野かほる)
今回唯一の一般小説である。タイトルだけは知っていたが手に取る機会がこれまでになく、見逃してばかりいた。特製全面帯に「ネタバレ厳禁!!」とあるからしてわくわくする作品には違いないのであろう。今から読むのが楽しみな一作である。
2.シニガミノバラッド。アンノウンスターズ。②(ハセガワケイスケ)
『しにがみのバラッド。』で有名なハセガワケイスケ氏の同シリーズスピンオフ作品の第2弾である。1巻と3巻は持っているのになぜだかこれだけ買い忘れていたため今回購入した次第である。ちなまなくても大丈夫だとは思うが、「アンノウンスターズ」シリーズはまだ読んでいない。
雨宮諒氏の言わずと知れた名作シリーズ最終巻である。これもなぜか最終巻のみ買い忘れていたため、今回購入した次第。今になって最終巻だけ買い足しているのを考えれば、私がこのシリーズを読んでいるかどうかはお察しの通りである。
「文学少女」シリーズのスピンオフとなる「見習い」シリーズの最終巻である。お恥ずかしながら「文学少女」シリーズはこれでほぼ全巻持っているのにも関わらず一巻も読んだことがないという状態になっている。間違いなく好きな作品だしアニメも円盤を全て持っているのだが、なぜか読む機会に恵まれない…今年こそは読もうともう何年も続けている状態なのである…
これも「文学少女」シリーズスピンオフ「見習い」シリーズの1つであるが、これに関してはもはや持っている。ではなぜ購入したかというと、これが「DVD付き特装版」だったからである。私が所持しているのは通常版なので、これを機に特装版を購入した次第である。それにしても特装版でもタダ本で手に入れられてしまうとは、恐るべし。
これに関しては今までとは異なりしっかりと読み進めている作品である。だが、100冊チャレンジをしているとどうしても2段組みの作品は読みにくい。もう少し制限がないところでゆっくりと読んでいきたい作品ではあるのだが、どこかで時間を見つけて読み進めようと思う。
以上が今回購入した6冊である。今回で特装版もきちんと欠品なく買えることが分かったため、躊躇なく購入していこうと思う。
【企画】今月のタダ本(2021年1月・コミックの部)
たまにはコミックから。
今月の「タダ本」は珍しくコミックからご案内。今月は9冊お迎え。「タダ本」の説明は以下のページから。
今月のラインナップは以下の通り。
2.水曜日のシネマ1(野原多央)
3.ULTRAMAN8(清水栄一・下口智裕)
4.タカコさん1(新久千映)
2018年にアニメ化された作品の原作である。アニメがとてつもなく改変されていたと聞いて思わず原作を読みたくなった次第。アニメのダークな感じも嫌いではないのだが、果たして原作はどんな感じなのか楽しみな作品である。
2.水曜日のシネマ1(野原多央)
ネットオフのおススメをあさっていたらたまたま出会ったのがこの作品。全5巻と手に取りやすい作品だし、年を取ってからこういう作品が好みになってきた。毎週水曜日にレンタルビデオ屋で行われる映画鑑賞会。そこで揺れ動く主人公とビデオ店の店長。2人の行く先が気になる作品である。
3.ULTRAMAN8(清水栄一・下口智裕)
BOOKOFFのウルトラセールで1~7巻を一気に購入したのでその続きを購入。よく考えれば作者の前作である『鉄のラインバレル』も好きだしウルトラマンも好きなのにこれを買っていなかったのは完全にミスである。早く追いつきたいものであるがなかなか追いつかないんだろうな…
4.タカコさん1(新久千映)
これもBOOKOFFのウルトラセールで2巻だけを買ったので1巻を追いかけるように購入。最近もうストーリーものを追いかけるのが少しずつしんどくなっているのでこういう日常ほのぼの系を読むのが好きになってきている。『ワカコ酒』がなかなか手に入らなくなってきているので同じ新久氏の作品を購入してみた。多分面白いと思う。
さて、今月も新たに9冊のコミックを迎えることができた。だが、依然としてウルトラセールのコミックの整理が終わっておらず、どんどん積み本が溜まっていってしまっている次第である。そろそろ、トランクルームの契約を本格的に検討しなければならない。
正月にブックオフで買った本をただ晒す
ついつい買い過ぎてしまった。
さて、1月1日~4日にかけて、ブックオフにて毎年恒例となる「ウルトラセール」が行われた。当然足を運ばないわけにもいかず、嬉々として戦場に赴いた次第である。そして、戦利品が上の通り。今日は、その戦利品をただ晒すのみ。
今回購入した戦利品は以下の通り。まずは小説・ノンフィクションから。
2.家族スクランブル(田丸雅智)
4.もらい泣き(冲方丁)
5.壁に書かれた預言(ヴァル・マクダーミド)
8、9.ふりだしに戻る上・下(ジャック・フィニイ)
10.美の奇人たち(美奈川護)
12.記憶屋Ⅱ(織守きょうや)
13.一年前の君に、一年後の君と。(相原あきら)
14.深海カフェ 海底二万哩(蒼月海里)
15.幽落町おばけ駄菓子屋6(蒼月海里)
16.そして、君のいない九月がくる(天沢夏月)
17.八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。(天沢夏月)
18.終電の神様(阿川大樹)
19.終電の神様 始発のアフターファイブ(阿川大樹)
20~22.櫻子さんの足下には死体が埋まっている6、8、11(太田紫織)
23.黒猫の小夜曲(知念実希人)
24.架空の球を追う(森絵都)
25、26.ホテル・ニューハンプシャー上・下(ジョン・アーヴィング)
27.ガープの世界上(ジョン・アーヴィング)
28.郵便配達は二度ベルを鳴らす(ジェームス・ケイン)
29.運命の裏木戸(アガサ・クリスティー)
31.ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領(アンドレス・ダンサ/エルネスト・トゥルボヴィッツ)
続いて、コミックは以下の通り。
1~11.あさひなぐ10、11、13~15、17~21、23(こざき亜衣)
12~16.1/11 5~9(中村尚儁)
17~23.ULTRAMAN1~7(清水栄一・下口智裕)
31、32.それでも町は廻っている10、14(石黒正数)
33.からかい上手の元高木さん1(山本崇一朗・稲葉光史)
34.デンキ街の本屋さん14(水あさと)
35.日常9(あらゐけいいち)
36.タカコさん2(新久千映)
37.ダストボックス2.5 2(高津カリノ)
39.放課後さいころ倶楽部5(中道裕大)
40.ぼくらのよあけ2(今井哲也)
41~45.甘城ブリリアントパーク2~6
51.天野めぐみはスキだらけ!8(ねこぐち)
52.山田くんと7人の魔女16(吉河美希)
59、60.ドカベン スーパースターズ編38、45(水島新司)
61、62.ボールルームへようこそ8、9(竹内友)
63~68.せっかち伯爵と時間どろぼう1~6(久米田康治)
72.キルミーベイベー6(カヅホ)
80.あさがおと加瀬さん。(高嶋ひろみ)
合計111冊。
まあ言うまでもなく買い過ぎた。ネットオフの「タダ本」によって年間180冊の本を迎え入れることが決まっており、それにこれが加わることで本の収納スペースが圧迫されていることは言うまでもない。そろそろ収納スペースを工面しなければ。
とはいえ、これほど気持ちの良い散財はない。111冊買っても1万円いかないのだから驚きである。私はこれ以降も毎年多くの本を受け入れていくのだろう。