趣味のみぞ語るセカイ

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【レビュー】死神と桜ドライブ(有間カオル)

 遺体ブローカーのお話。

 

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 今回取り上げるのは有間カオル氏の小説『死神と桜ドライブ』である。

 

 話としては主人公のOL、美咲が恋人に騙されて自ら命を落とすことを選択するところから始まる。交通事故で命を落としたはずの美咲だったが、なぜか死んでおらず、遺体ブローカーの黒木と呼ばれる男に拾われ、黒木葬儀社で働かされる羽目になってしまった。そこで葬儀屋として働くことになった美咲の物語である。

 

 話としては葬儀屋として人の亡くなった後を送り出すところを中心に描かれている。とはいっても「おくりびと」のようなあたたかい話ばかりではなく、その半分以上がダークな話である。個人的にはダークな話も決して嫌いではないので読んでいて面白さもあった。もちろん、「おくりびと」的な話というか、お涙頂戴話も入っている。非常にメリハリの効いた作品となっている。

 

  皆さんもぜひ葬儀屋、遺体ブローカーの裏側を覗いてみてはいかがだろうか(まあ、遺体ブローカーなんて仕事が今時あるとは思えないが)。