趣味のみぞ語るセカイ

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【レビュー】ゲーマーズ! DLC3(葵せきな)

 勘違いラブコメの代表作もこれでお開き。

 

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 本日取り上げるのはアニメ化もされた葵せきな氏のシリーズ最終作『ゲーマーズ! DLC3』である。とはいえ、本編自体は12巻で完結しているため、DLCはあくまでもサブストーリー(おまけ)という扱いである。

 

 前半部はBlu-ray初回限定版特典の再録となっており、1~4巻の特典であるIfルート(チアキ、アグリ、コノハ、ニーナ)を楽しむことができる。個人的にはケータとアグリのファミレス会がとても好きだったので、やはりアグリルートが良かったかと思う。そして個人的に一番好きな回であった「ラブラブ半生ゲーム」の姉妹作を遊ぶというBlu-ray6巻の特典「ラブラブ王子様ゲーム」も、「ラブラブ半生ゲーム」に及ばないまでもかなり面白い。

 

 後半部は雑誌掲載と書き下ろしのものが計4作収められており、生徒会シリーズをゲーム化した「生徒会と青春リプレイ」や私が好きなファミレス会をケータと花憐で行う「天道花憐と関係性ランクマッチ」そしてチアキのゲームをみんなでプレイする短編が2編ある。「星ノ守千秋と恋愛シミュレーション」はかなりギャグに寄ったいつも通りの作風なのだが、一方で「ゲーマーズゲーマーズ!」はギャグテイストではありつつもこれまでの『ゲーマーズ!』を軽く振り返れるような作品になっており、少し物寂しい気持ちになる。その一方で、最後のチアキの、「自分、『分岐』はいらないですが、『未来』まで捨てたつもりはありませんからね?」というセリフからは、ゲーム同好会の面々の話はまだ彼らの時間軸で続いていくというように感じられ、時折彼らの世界をまた垣間見たくなってしまう終わり方であった。

 

 これにて、『ゲーマーズ!』は完結となるのだが、残念ながら、現時点で葵せきな氏の次回作の情報がまだ出ていない。個人的にはトップ3に入るくらい好きな作家であるので、早く次回作を発表してくれればと思うばかりである。