【レビュー】東京タラレバ娘(東村アキコ)
心がひたすら抉られる。
今回取り上げるのは東村アキコ氏の『東京タラレバ娘』、ドラマ化もされた名作である。東村アキコ氏の作品は『海月姫』で出会い、ドハマりした。ダメな大人を書かせたら右に出るものはない。本作でも、33歳になる女性3人が主役なのだが、結婚だああだこうだと言いながら問題のある男にばかり引っかかってしまうという顛末・・・だが一方でこの3人を全く笑えない自分もいる。
この作品の特に序盤から中盤にかけては、面白いのはもちろんだけれども、それ以上にボディブローのように私自身に対しても染み入るセリフが降り注いだ。特に「タラ」と「レバ」が3人にそれぞれ浴びせているセリフが辛辣すぎる。読んでいくうちにだんだんと他人事のように思えなくなってくるのは私も似たような状況であるからだろう。性別は異なるとはいえ結婚できるだろうと思い続けて数十年。未だに結婚ははるか遠くの話である。
内容も非常によく、展開もスムーズなのだが、惜しむらくはあれだけ現実を見ろと言っているのに最後は少女漫画的展開に落着してしまったことである。まあ確かに漫画の中で救いがなければどこに救いを見出せばよいのかと考える人もいるかもしれないが、できるならばそこはリアルに終始してほしかった。まあ、面白いかと問われれば間違いなく面白いのだけれども。
現在はシーズン2が掲載されており、そちらも目が離せない。是非皆さんも読んでみては?
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