趣味のみぞ語るセカイ

趣味であるお酒や読書、アニメ等に関して思ったことを綴っていくブログです。

【レビュー】10分あれば書店に行きなさい(齋藤孝)

 「書店のすゝめ」。

 

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 書店が知識の宝庫であることは言うまでもない。数ある書籍はまるで宝箱のようであり、一冊一冊に膨大な知識や果てしない物語が広がっている。それを読むことを通して我々は知識を深め、物語の世界に没入するのである。

 

 ところが、昨今の「活字離れ」に伴う出版不況の為に書店もみるみる減少していき、町中で書店を見ることがずっと少なくなっている。恐ろしいことである。我々のオアシスがこうして減少していくのは、実に耐えがたい。

 

 著者の齋藤孝氏も同じような危機感を抱いており、「書店活用」を通じて現在の活字離れ・出版不況をどうにか食い止めようと考えている人物である。

 本作は書店の活用方法を中心として書店に行くことの効果や読書方法について述べられている。とりわけ新書を用いての「1分間読書」は非常に勉強になる。教員だった頃に、国語の授業で取り入れていればと強く思った。

 新書の場合、目次を見ればほとんど内容が分かるというのは新書に親しんでいる人なら周知の事実であるが、それを知らない者は特に若い世代に多い。新書を選択する基準の一つとして「目次を見る」というのは絶対の真実であり、私が新書を選択する際に必ず実行することである。

 

 活字離れが進むと読解力の低下を招き、学力の低下にもつながりうる。それを防ぐために、本を読む習慣はつけておくに越したことはない。願わくは書店がその力をつけるために一役買ってほしいと思う。