趣味のみぞ語るセカイ

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【企画】家にあるアニメ作品を全部見直してみる24 レビュー「舟を編む」

 辞書作りに命を懸けた人たちの物語。

 

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 今回取り上げたのは三浦しおん氏の傑作小説を原作とした「舟を編む」。

 内容はというと、「玄武書房」が新たに打ち出す中型国語辞典『大渡海』の刊行に向けて東奔西走する辞書編集者を描いた物語である。

 

 よくこれをアニメにしようと思ったなというのがアニメを見る前の感想であった。原作はアニメの前に既に読んでいたので内容は既に理解していた。確かにとても面白い作品であるのは間違いない。原作を読んだ時は世界観にグッと引き込まれあっという間に読了してしまった。しかし、「辞書作り」という題材はあまりにも動きに乏しい。そう考えると2時間の映画ならばまだしも5時間半のアニメ化は厳しいのではないか。正直、そう思っていた。

 

 蓋を開けてみると上述した心配は杞憂に終わった。全く間延びを感じさせることなく、原作に忠実に『舟を編む』の世界を描き切ったのである。強いて言うならもう少し感情の起伏というか、『大渡海』が完成した時に達成感を味わえるような演出にしてほしかったなとは思うが、そこが比較的あっさりとした感じであったのも『舟を編む』らしいなとは思う。

 

 しかし、辞書作りの世界に深く関心を抱く作品になるのは間違いない。この作品を目にして、辞書に思いを寄せてはいかがだろうか。