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【企画】家にあるアニメ作品を全部見直してみる23 レビュー「伏 鉄砲娘の捕物帳」

 桜庭一樹原作の傑作小説を映画化。

 

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 さて、今回取り上げるのは「伏 鉄砲娘の捕物帳」。文芸春秋創立90周年記念作品である。2012年公開の映画で、確か公開当日に見に行った記憶がある。その時には原作である『伏 贋作・里見八犬伝』を読了していたように思う。

 

 内容はというと、猟師として育てられた14歳の少女、浜路が江戸に上って人に危害を加える「伏」と呼ばれる半人半犬を仕留めようとする話である。その中で、伏である信乃と出会い、猟師として伏を狩らなければならないという使命感と彼に対する慕情との間で葛藤するというのがこの話のメインで描かれているものである。

 

 文芸春秋創立90周年記念作品ということもあり、かなり映像が美麗で力が入っていることが分かる作品である。展開としても紙芝居的というか、お芝居的というか、動的な部分はトントン拍子で話が展開していく。その一方で心情描写のシーンはゆっくりと展開されるため、そのバランス感覚がとても心地よい作品である。また、タイトルに「捕物帳」という言葉が入っているがミステリ要素はほとんどなく、タイトルは伏を捕らえるという意味での「捕物」であると思われる。

 

 映像美とスムーズな展開に魅せられる『伏 鉄砲娘の捕物帳』。是非見てみては?