趣味のみぞ語るセカイ

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【博物館】特別展「正倉院の世界」

 ここ最近続いた特別展ラッシュもいったん一区切り。

 

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 天皇即位記念で開催されている特別展「正倉院の世界」に足を運んだ。行ったタイミングがちょうど後期展示の始まりの日だったようで、平日に行ったのにもかかわらず・・・

 

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 入場制限で30分の入場待ち。トーハクの特別展で並んだのいつ以来だろうか・・・

 

 今回の特別展のテーマは「保存」である。皇室に継承されている様々な由緒正しきものが如何に保存され、語り継がれているのか。そのものの展示はもちろんのこと、保存方法にも着眼点が置かれている。

 

 正倉院に保存されているものは「螺鈿紫檀五絃琵琶」のような教科書に掲載されるレベルのお宝からパッと見ただの布きれかと思ってしまうものまで、多岐にわたる。それもそのはず、正倉院では「塵芥」と呼ばれる、端的に言ってしまえば「ゴミ」に分類されるものまでも全て保存し、それをもって修復しているのである。この塵芥は棺のようなものに全て入れられており、日夜それを種類ごとに分別し、修復できるものは修復に充てているのだという。恐ろしい執念である。

 

 本特別展のみどころは何といっても「琵琶」だろう。後期の今は上記した「螺鈿紫檀五絃琵琶」の実物を拝むことはできないが、その模造品を見ることができる。本物と比べると恐ろしいまでの再現度の高さである。会場ではモニターで模造品の制作過程が流されているが、一流の職人がそれぞれ最高の技術を駆使して模造品を作る様は見ていて溜息が漏れるばかりである。

 

 残念ながらトーハクの特別展は写真撮影できないのがデフォルトなので一つ一つの展示物について深く語ることはできないが、さまざまな皇室のお宝に心を奪われるのは間違いない。この機会に、ぜひ正倉院のお宝を間近で眺めてみては。