【企画】家にあるアニメ作品を全部見直してみる18 レビュー「ばらかもん」
「自分らしさ」ってなんだ?
今回取り上げるのは「ばらかもん」。
書道を題材にしており、自分の字を「型にはまった字」と酷評された主人公の半田清舟が五島で現地の人々と交流を深めながら自分を見つめ直すという内容である。
基本的には島での暮らしや島の人々との交流が描かれており、劇的に状況が変化することはなく、島の雰囲気と同様、ゆっくりと時間が流れていく。そのなかで半田は自分が生き急いでいたことに気付き、島の環境・雰囲気に合わせるように自分の書にゆっくりと向き直っていく。
作品の主題に取り上げられているのは「自分らしさ」。誰しもが生きていて一番長い時間を過ごしているはずなのに掴むことができないのが「自分自身」である。いつもと違う環境に置かれて初めて気づく「自分の新しい一面」。よく旅行帰りの人が「旅先で人生観が変わった」と言うが、それは旅先という「いつもと違う環境」におかれて自分の新たな一面が発見できたからである。
現在「自分」が見えなくなっている人はこの作品を見たり、この作品のように「いつもと違う環境」に身を委ねてほしい。そうすることで自分の新たな一面がきっと見つかるだろう。
私にも、自分を見つめ直せるような、そんな時間が欲しい。
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