師弟愛=家族愛。
ハ行の一作品目は細田守監督の「バケモノの子」をピックアップ。
細田作品は琴線に触れるものと触れないものの差が大きいんだけど、これはわりと好きな部類に入る作品。まあ、個人的ベストは今でも「サマーウォーズ」だけれども・・・
内容はというと、バケモノ界に迷い込んだ人間の少年・蓮(九太)がバケモノの熊徹に拾われ、そのもとで師弟として家族のように寝食を共にしていくうちに、本当の家族のような関係になっていくというものである。「サマーウォーズ」以来となるアクションシーンもあり、戦闘描写は比較的スピーディーに展開されていくため、わりと好きである。
ポイントは「人間」と「バケモノ」という種族を超えたところにも生じる愛情に他ならない。それだけに最後人間界に戻るという結末は少しうーんという気にもなる。熊徹が刀の付喪神として蓮とひとつになったところでバケモノ界には残る理由もなく、本当の親がいる父のもとに戻ろうというので落としどころでは妥当なのだろうが、それであれば実の父との間にある距離感ももっと掘り下げても良いような・・・
とはいえ、全体的には良い作品に仕上がっていると思う。大事なのは血のつながりではなく、一緒に過ごした時間の長さである。この作品は、そのことを綺麗に描写してくれていると思う。
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