久々の「恐竜博」じゃ!!
混雑を嫌って夏休み終わりの平日を狙ってようやく行けた! というのに、わりとお客さんがおり、ガラガラとはいかず・・・だが、これでも夏休みに比べたら空いている方なのだろう。逆に考えると夏休みでもない平日の真昼間にこれだけ集客できるとは、やはり「恐竜」の集客力は恐ろしい。
今回の恐竜博は恐竜の「研究」に重きが置かれており、これまでの恐竜博と比べてもややマニアックな印象を受ける。だから、上の写真のティラノサウルスは今回の恐竜博では脇役である。
今回の恐竜博の主役その1。「ディノニクス」のホログラム標本である。「恐ろしいかぎ爪」という名前を与えられたこの恐竜の化石の発見により今までの恐竜感が覆され、「恐竜ルネサンス」と呼ばれる恐竜研究の革命がおこった。
このホログラム標本は所蔵しているピーボディ自然史博物館でさえもこれまで展示室で展示されていなかった貴重な標本である。
今回のテーマが恐竜研究なので、懐かしのこんなものも展示されていた。デール・ラッセル博士が思考実験の結果発表した、恐竜が絶滅しないで進化を続けた末の生物、「ディノサウロイド」である。今ではとんとその存在を語られなくなっていたが、以前は恐竜図鑑とかにも載っていたような記憶がある。そのビジュアルに多少恐怖しつつも、当時少年だった私はその姿にワクワクしたものであった。もしかしたら、今回の恐竜博で最もアガッた展示かもしれない。
話を元に戻して今回の恐竜博の主役その2。変な恐竜、「デイノケイルス」である。
この復元骨格からでは何が変なのかよく分からないと思うが、この「デイノケイルス」は様々な恐竜の特徴を兼ね備えているキメラ的な恐竜なのである。この恐竜の発見により、それ以前の恐竜の分類法を見直すきっかけとなった恐竜である。
今回の恐竜博の主役その3。日本で8番目の新種の恐竜「むかわ竜」。立っているのが全身復元したレプリカであり、写真の右下に写っている骨は実物の全身骨格である。2003年に骨は発見されていたものの、当時はごく一部しか見つかっておらず、当時は首長竜の仲間だと思われていた。ところが2011年に佐藤准教授によって恐竜化石であることが分かり、2013年以降の調査で全体の8割ほどの化石が発見された。日本の化石でこれほどの全身骨格が発見されたことは史上初めてであり、日本の恐竜研究史に残る大発見である。
上述したように、今回の恐竜博は恐竜研究の変遷がテーマになっているため、かなりマニアックな説明および展示であるように感じられる。だが、恐竜に関する知識が少し前のもので止まってしまっている私からしてみれば今回の恐竜博は収穫が大きく、久々に有意義な特別展鑑賞であった。
さて、早速買ってきた公式図録を読み込んで、恐竜知識をアップデートすることにしよう。