趣味のみぞ語るセカイ

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【レビュー】1518!(相田裕)

 7巻で終わってしまうのは勿体ない良作です。

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 作者の相田裕氏は前作の『GUNSLINGER GIRL』で知っており、好きな漫画家だ。

 今作は前作とは雰囲気がガラッと変わっており、現代の高校が舞台となる。漫画で生徒会が主題になっている作品も多々あるが、『1518!』は他の作品とは異なりきちんと生徒会活動をしていることに非常に好感が持てる。元私立高校の教員である私から見ても、生徒会の運営が実に丁寧に描かれていて懐かしい気持ちになった。私がいた学校はあそこまで生徒に丸投げではなかったけれども、他の私立高校はどうなのだろうか。あそこまで生徒会がしっかりとしていたらきっと楽しい学校生活が送れることだろう。

 生徒会執行部のバランスもストーリーに合わせて非常によく構成されていると思う。序盤はおせおせな性格の生徒会長の環が引っ張り、それに翻弄されるように、でも置いて行かれないように必死に食らいつく一年生コンビの姿を書き、アイス大作戦や野球応援などの仕事を通して徐々に一年生コンビに仕事を任せていって生徒会運営の仕事をシフトチェンジさせていく。それに合わせるように来年度の生徒会には姿のない環や二年生コンビは徐々にフェードアウトし、代わりに次期生徒会メンバーのナカナツや宇賀神などの出番が増えていく構図は生徒会の交代に合わせるようで良いと思う。

 本来ならばもっと描きたいことがあってそれがどこかの機会で描ければと作者もあとがきで書いていたが、私も彼らの物語の続きをぜひ見てみたい。サブキャラ好きの私から見れば、二年生や環、ナカナツなど、ぜひ後の話を見てみたいキャラクターの宝庫なのだ。いつかこの続きを拝むことができればと思う読了後の現在である。